働く人のやりがいと成長が新しい価値の創造と提供につながる

 総合電子部品メーカー村田製作所は、2019年11月に発表された第3回日経「スマートワーク経営調査」総合ランキングで、京都の企業でトップに輝いた。同社は1944年の創業以来、着実に成長を続け、2018年度の売上高は1兆5750億円に上る。成長をけん引するイノベーティブな技術や製品は、どのような企業風土から生まれるのか――。同社の理念、国内外合わせ約8万人の従業員の働く環境づくりなどを探った。

働く人のやりがいと成長が新しい価値の創造と提供につながる
村田製作所チアリーディング部

村田製作所チアリーディング部

村田製作所チアリーディング部は、ボールに乗って動きます。
彼女たちのポイントは、「倒れそうで倒れない」バランスと「ぶつかりそうでぶつからない」そのチームワーク。

村田製作所の概要

村田製作所は、1944年に創業した最先端の技術、部品を創出する総合電子部品メーカーです。Innovator in Electronicsをスローガンに掲げ、豊かな社会の実現を目指しています。村田製作所の技術は、スマートフォンやパソコン、AV機器、家電製品などのエレクトロニクスの中心分野から自動車やエネルギー、ヘルスケアなどの領域にも広がっています。

売上高は、1兆5750億円
企業数は、91社(国内:28社、海外:63社)
従業員数は、77,571人(国内:30,398人、海外:47,173人)

※売上高は、2019年3月期決算。
※従業員数は2019年3月31日時点のものです。
※グループ企業数は2019年3月31日時点のものです。
※村田製作所はグループ企業数に含まれておりません。

身の回りの電子機器の中における村田製作所の製品の数

社会の変化に合わせ、組織風土を見直し改革進める

宮本隆二氏 宮本隆二氏

取締役上席執行役員
宮本 隆二

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社会の変化に合わせ、
組織風土を見直し
改革進める

取締役上席執行役員
宮本 隆二

 村田製作所が組織風土改革への取り組みに着手したのは2004年。ITバブル崩壊後、赤字にはならなかったが、同業他社に比べ回復状況が思わしくなかった。社内で議論・検討し「組織風土改革活動」を始めた。それまでは会社全体で、管理や統制、指示、命令といったことが重視されていたが、世の中は変わりつつあった。同社取締役上席執行役員の宮本隆二氏は振り返る。「社会の変化に合わせ、会社も変わらなければならないと認識しました。業績が非常に良かった期間が長かったので傲慢になっているのでは、という反省もあり、もっとお客さまの方を見なくてはいけないとも気づきました」

 早速、経営層や管理職、従業員を対象に「組織サーベイ」を実施。2006年には「CSとES」を経営の最も大事な価値観として定めた。同社では、「CS」をいわゆる「Customer Satisfaction(顧客満足)」ではなく「お客さまへの価値の創造と提供」、「ES」は「Employee Satisfaction(従業員満足)」ではなく「社員・従業員のやりがいと成長」と定義している。「CS」を実現するには、「ES」を向上させることが不可欠という考えの基に進めてきた組織風土改革が、現在の「スマートワーク」につながっているのだ。

あるべき姿は
全て「社是」の中にあった

 2019年4月から働き方改革関連法が順次施行されていることもあり、新聞やニュースなどで、〇〇会社がスマートワーク関連の〇〇制度を導入したという記事を目にすることが増えた。しかし村田製作所では、コアタイムのないスーパーフレックス制度は2009年から、配偶者の海外赴任に伴い3年間同行休職できる制度は2016年から導入している。現場重視、現場志向の発想で、現場の状況や声に耳を傾けながら「当たり前のことを、当たり前にやってきただけ」と宮本氏はさり気なく語る。ただし組織風土改革当初は、「社員皆をその気にさせる」ためのさまざまな工夫を凝らした。「コミュニケーションと言ってしまえば簡単ですが、当事者意識を持ってもらうよう、一つひとつ地道に積み重ねていきました」

宮本隆二氏

 そして、風土改革活動を推進していく中で、「目指す方向性や考え方は、結局、社是の中身と同じだ」と改めて気づいた。同社の社是は「技術を錬磨し 科学的管理を実践し 独自の製品を供給して 文化の発展に貢献し 信用の蓄積につとめ 会社の発展と協力者の共栄をはかり これをよろこび 感謝する人びとと ともに運営する」。「一つひとつは特別な言葉ではありませんが、自主性、連携、チャレンジといった意味が全部入っています。ムラタにとっての当たり前は、社是・理念の実践なのです」と宮本取締役は説明する。1954年に制定された社是は、今も生き、未来にも続くDNAなのだ。

 近年、M&Aや中途採用の強化によって、村田製作所では、異なる企業文化で育ったメンバーも増えてきている。その中で、多様な従業員が連携して総合力を発揮するためには、社是の理解と実践が不可欠で、その浸透にも力を入れている。また、変化の激しい市場で多種多様な顧客とビジネスをしていく中では、一定の枠組みの中で、現場での自主的な判断も必要になってくる。そのために、社員一人ひとりの活躍を支援するために、「ダイバーシティー&インクルージョンやワーク・スタイル・イノベーション、キャリア自律支援制度」などの取り組みも強化している。

背景

ダイバーシティー&インクルージョンで、多様な個の力を生かす

張穎氏 張穎氏

広報部ブランド・コミュニケーション課
張 穎さん

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ダイバーシティー
&インクルージョンで、

多様な個の力を生かす

広報部ブランド・コミュニケーション課
張 穎さん

 同社のスマートワークについて、社員たちはどう感じているのか。広報部ブランド・コミュニケーション課の張穎さんに聞いた。張さんは、中国で勤めていた企業がM&Aで村田製作所に統合、2017年9月から同社の一員になった。前の会社では総務担当だったため、統合に際し制度やルール、システムなどの移行がうまくできるか少し不安だったそうだ。「でも、ムラタ本社や中国拠点のサポートを受け順調に業務移管できました。中国から本社に異動してきてからは、気軽に相談できますし、コミュニケーションしやすい雰囲気の会社だと感じています」と流ちょうな日本語で話す。海外売上高比率が90%を超え、海外関係会社63社を擁する村田製作所では、多様な人材を生かし、チームとしても力を発揮できる状態を目指し、ダイバーシティー&インクルージョンを推進している。

海外現地従業員の日本 / 他国関係者への派遣制度利用者累計
ミーティング 画像 ミーティング 画像

 社是について張さんは、「分かりやすい内容ですし、仕事だけでなくプライベートでも実践できそう」と受け止めている。中でも「信用の蓄積につとめ」というフレーズが印象的だと言う。「お互いに信じ合える環境が構築されれば、情報をシェアすることも物事を進めることも何でもうまくできると思います。今は、中国と日本の双方の考えを伝えたり、相談にのったりするなど、自分の仕事がいろいろな価値を提供できることに、とてもやりがいを感じています」とほほ笑む。

張穎氏
背景

海外のものづくりの問題は、現場、現地ローカル社員・駐在員が一丸となって解決

神谷亮摩氏 神谷亮摩氏

グローバル人事部グローバル企画課マネージャー
神谷 亮摩さん

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海外のものづくりの問題は、
現場、現地ローカル社員・
駐在員が一丸となって解決

グローバル人事部グローバル企画課マネージャー
神谷 亮摩さん

 キャリア支援制度も充実している。グローバル人事部グローバル企画課マネージャーの神谷亮摩さんは、2008年の入社以来、人事を担当。計6年半をフィリピンとオランダの海外で過ごした。グローバル化が進む村田製作所の海外出向者は500人以上。部門のニーズに合わせて将来の海外駐在を見据えた研修などを行う「海外派遣候補者登録制度」によってスムーズな海外赴任のための準備を行うことができた。神谷さんは「単なる語学研修ではなく、英語でのプレゼンテーションやネゴシエーション、ミーティングといったロールプレイ形式の実践研修やマネジメントスキルを習得するプログラムなど、スキル面で事前準備ができ心強かったです」と振り返る。

フィリピン工場 フィリピン工場

神谷さんも立ち上げに携わったフィリピンの工場(Philippine Manufacturing Co. of Murata, Inc.)

神谷亮摩氏

 神谷さんがメンバーの一人として、立ち上げに携わったフィリピンの工場(Philippine Manufacturing Co. of Murata, Inc.)は、今では数千人の工場に成長した。「海外では、ものづくりの製造現場とそれを支えるスタッフ、現地ローカル社員と駐在員が一丸となって課題を解決していきました。常に新しいチャレンジに恵まれ、それを乗り越えられた瞬間にやりがいと誇りを感じます。海外駐在では、異なる価値観に対して柔軟になること、自分の考えや思いを表現することの重要性を実感しました。こうした経験を生かし、これからもチャレンジし続けたいですね」と抱負を語る。

背景

離職率が低く男女を問わず長く働き続けたくなる風土

村田製作所 村田製作所

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離職率が低く
男女を問わず
長く働き続けたくなる風土

 村田製作所とは、どのような会社なのか聞いた。張さんは「親しみのある会社で、人を大事にしていると実感しています」と話す。「2019年は“ONE TEAM(ワンチーム)”という言葉がはやりましたが、ムラタにも、共同体としての強みがあると思います。どんな難局でもチームワークで乗り越えられると感じています」と神谷さん。宮本氏は「堅実、地味、着実。会社のことが好きで、誇りを持っている人が多いですね」。村田製作所が作っている電子部品は小さなモノばかりだが、同社の業務が停止すればスマホなどの電子機器は作れなくなるかもしれない。

宮本隆二氏

 宮本取締役に働く環境について聞くと「男女を問わず長く働きやすい制度を整えており、離職率は1.31%(2018年度実施)ととても低いです。私自身も若いころから、きちんとやっていれば必ず誰かが見てくれているという安心感がありました。それがここまで頑張ってこられた理由かもしれません」と話す。

 最後に就活生にメッセージをもらった。「ムラタを取り巻く業界や社会情勢の変化が激しく、技術革新のスピードも速い状況の中、5Gなどの通信技術の進化や自動車の電装化などにより、ムラタの事業機会が広がるとともに競争も厳しくなってきています。今後ますますCSとESの両立が重要になってくる中で、ムラタが期待する人材像は、社是・理念を理解して実践し、自ら成長することで新しい価値創造に挑戦できる人です。激しい環境の変化にも柔軟に対応し、世界中の人々と信頼関係を築いて連携できる人と一緒に働きたいと思います」

 「Innovator in Electronics」をスローガンに、エレクトロニクス産業のイノベーションを先導することを目指す村田製作所。社是・理念を地道に実践しながら、これからもどんどんイノベーションを起こしていきそうだ。

本掲載内容は、日本経済新聞 電子版広告特集として、2020年1月~2月に掲載されたものの転載です。

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働く人のやりがいと成長が新しい価値の創造と提供につながる。
2020年1月27日~2月26日まで、日経電子版広告特集に掲載されました。
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